私の最初で最後のかみさまのお話

私はオタクなので、彼がアイドルじゃなくなったその時に、彼はもう私の世界からいなくなる。

 

そもそも、前提として彼には彼の人生があって私には私の人生があるので、私は明日友達と笑顔でランチをするし、そのあと真面目な顔をして論文を少しだけ書いて、神妙な顔でWISCをとる。けれども、見ているだけで楽しくて、ハッピーだった、そういう対象がいなくなることが苦しくて、カタルシス効果を狙って文章を書くことにします。

自分のストーリーを構築してそれを人に聞いてもらうことは癒しになるとかの有名なユングも言っているのでオススメです。

 

自分のことにしか興味がなくて、やりたいことがたくさんあって、アイドルを応援する時間なんてないと思っていた私が人生で初めて挫折して、突然ハマったのが当時ジャニーズJr.だったPrince。

 

三人をずっと見ていられる方法がデビューすることだと信じていたから、デビューして欲しくて、デビューが決まったことを私は彼らの背中を見ながら知ったのだけれど、未来への約束ができたって、嬉しいとかそういうのより前にそうやって安心したのを思い出す。

 

ここ2年と半分くらい、ずっと思ってたけどなんかずっと言えなくて。それでもやっぱり、こういうことになるのであればデビューなんてしなくてよかったのになあ。

暖かくて、優しい彼らの作る世界とその世界の住民のオタクたちでできたあの幻想みたいな狭い空間にずっと閉じ込めておきたかったなあ。

そうしたら、やさしすぎるくらいの彼もずっとアイドルでいてくれただろうか。

 

うそつきと泣き出したい気持ちと、頑張ってくれてありがとうと泣き出したい気持ちが両方あって、もやもやぼやぼやしているけれど、日がたつにつれ、あーいなくなっちゃったんだって本当に泣いちゃうんだろうなあ。それからまた日が経って、あー楽しかったな、可愛かったな、大好きだったなって笑うんだろうなあ。

 

いなくなってしまうのならば、ずっと閉じ込めておきたかったけれど、あんなにキラキラしたものをあんなに狭い世界の中でだけ輝いてもらうなんて、幸せだけどもったいなさすぎるから、きっとこれでよかったんだろう。

全部全部幻だったんじゃないかってくらいの彼を見つけられた私は本当にラッキーだ。

とりあえず今は、彼のいろいろなところを否定しないで穏やかな気持ちで遠くから眺めていたい。楽しいことが多かったけど、楽しいことだけじゃなかった、でもやっぱり彼を見つけてよかったなあと一番に思う私のオタク人生と一緒に。

 

いつか、彼がしあわせなアイドルでいてくれることじゃなくて、彼がしあわせでいてくれることを願うようになったとき、私はオタクじゃなくなるんだろうなと思ったけれど、きっとそれが今日なんだと思う。強制終了みたいで少し苦しいけれど。

 

綺麗に咲いて綺麗に散って、ずっとずっと綺麗でくれてありがとう。

アイドルになってくれてありがとう。

あなたを信じている間、私は本当にずっと楽しかった。あなたを見ていることで救われました。ありがとう。

私も、誰も、知らないところで、どうか幸せになってください。

 

 

アイドルだったあなたに最大限の感謝を込めて!!!